エターナル・フロンティア~前編~
「うわー、腹黒」
「それは、お互い様でしょ?」
「まあね」
「ホント、扱いやすいわ」
悪知恵の発想だけは、アカデミーで負けるものはいない。だが、そのことさえ教授達は予知し見抜いていることを二人は知らない。やはりどう足掻いたところで二人が卒業をできる道はなく、現時点で留年が決定していることにアニスとディアーナは後で驚かされることになる。
◇◆◇◆◇◆
イリアは重い荷物を引き摺り空港の外に向かうと、目の前に広がる光景に深い溜息が漏れる。目の前に広がる街灯や色とりどりの明かりに、美しくライトアップされた店の看板などによってとても眩しかった。
天を仰げば、高く聳え立つビル。その谷間を縫う様に走るのは車。今までレミエルより多少文明水準が低い惑星にいた為、目の前に広がる高水準の技術力に圧倒される。夜だというのに明るい都市。数千年前には考えられない、夢物語とされた風景が現実としてそこに広がる。
(そうだ。電話をしないと)
親との約束事を思い出し、ポケットから携帯電話を取り出すと自宅に電話をする。耳元で、相手を呼び出す音が聞こえる。しかし、いくら経っても相手が出る様子はない。シャトルの中で時間を確認した時は五時であったので、父親が不在であっても母親が自宅にいる。
それが二人とも不在となると、何かがあったのかと思ってしまう。それとも約束を守らなかったことを怒り、態と電話に出ないようにしているのか。しかし、イリア両親はそのようなことを行う人間ではない。確かに厳しい面が多々あるが、冗談や悪ふざけは行わない。
そうなると、二人で何処かに出掛けた可能性が高い。これも、帰宅が予定より過ぎてしまったのが原因だろうか。友人達の迷惑行為は違う方面にも飛び火し、このままでは両親から「悪い子」と、思われてしまうだろう。本当に二人の行動は、何かと周囲に迷惑を掛ける。
(やっぱり、頼むしかないか……)
両親が不在と決まった今、頼みの綱は幼馴染しかいない。出てくれるようにと願いつつ、イリアは電話を掛ける。暫く、呼び出しの音が続く。出られないということで半分諦めてしまうが、電源が切られていないので仕事中ではない。しかし、相手はなかなか出なかった。