エターナル・フロンティア~前編~

 その後、意識は途切れてしまう。


◇◆◇◆◇◆


 ソラに代わりに作ってもらったシフォンケーキを持ち、イリアはユアンの自宅へ向かった。その途中、数人のクラスメイトと合流する。同時に、一斉に言葉がイリアに投げ掛けられた。

 どうやって、約束を取り付けたのか。

 いつ仲良くなったのか。

 羨ましい。

 言葉の端々に見え隠れしているのは、イリアへの嫉妬心。しかし、表情は一定に保っている。

 どのような形であったとしても、憧れの人物が開くパーティーに参加することができる。不満を前面に出した表情を浮かべ参加したら、ユアンに失礼に当たる。そう判断を下したのか、皆破顔を見せていた。

「イリア、それは?」

「シフォンケーキ」

「作ったの!?」

「う、うん……」

 その言葉にクラスメイトは、イリアの家庭的な一面に驚く。周囲の見方は、典型的なお嬢様。イリアが菓子を作り、持って来た。クラスメイトは互いの顔を見合うと、不味いケーキを持って来たのだと判断を下す。そう、今まで真面目に料理を作ったと聞いたことがないからだ。

 料理経験が無い者の菓子――

 本当に大丈夫か、心配になってしまう。

 それにシフォンケーキで、食中毒というのは洒落にならない。よって、全員が身構えていた。

「どうしたの?」

「気にするな」

「そうそう、早く行く」

「そうよ。ラドック博士が、待っているわ」

「ほらほら、楽しいパーティーよ」

 イリアに勘付かれてはいけないと、クラスメイトはイリアの背中を押す。そして、強制的にユアンの家へ連れて行く。突然の出来事に、イリアはそれぞれの人物の顔に視線を向けていくが、誰一人として言葉を発することはしなかった。ただ、半笑いをしつつ玄関へ向かう。
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