エターナル・フロンティア~前編~

 以前イリアは、ユアンから「男は料理が上手い人物が好き」と聞かされていた。だからこそ、相手に好まれるように努力をしないといけなかった。特にイリアは、そうしないといけない。

 その為、ソラのもとへ向かった。

 練習して、頑張って作った。

 だが、結果は散々なのも。

 それにより、ソラが手を差し伸べてくれた。

 イリアは、それなりに向上心が備わっている。特に目立つのが研究面であって、それ以外の面での向上心は、残念ながら褒められるものではない。そう、どうしても後回しになってしまうのだ。

 だが、周囲を誤魔化すのはいい気分ではない。イリアは心の中で、料理の勉強を決意する。一方のユアンは、イリアに気付かれないように苦笑いを浮かべていた。しかし、指摘の言葉を言うことはしない。その後、ティーパックを持って無言で奥の部屋へと行ってしまう。

 彼の姿に、イリアは動揺を隠せなかった。

 慌てて、ユアンの後姿を追う。

 そして、美味しい料理で盛り上がっていった。




「これ、最高です」

「それは、良かった」

「どれくらい、時間が掛かるのですか?」

「早朝から、作っていた」

「そ、なんなに……」

 目の前に並べられている料理の数々の量は、半端ではない。オードブルからメイン。それに、デザートまで用意されている。それを全て一人で作ってしまったとは、皆目を丸くする。

「どうすれば、料理が上手くなるのですか?」

「やはり、努力だ」

「努力ですか……言葉に、力があります」

「君達も頑張れば、大丈夫だ」

「が、頑張ります」

 ユアンは、生来の天才と呼ばれている。あらゆることを簡単にこなしてしまい、特に努力をしていないように思われていた。しかし、誰もユアンの裏を知らない。彼は日々、努力をしている。しているがそれを表立って言うことはしないので、影の努力に気付いている者は少ない。
< 325 / 580 >

この作品をシェア

pagetop