エターナル・フロンティア~前編~

 一流の料理店に出される料理に等しい。もし金を求めた場合、彼等は相当の金額を支払うに違いない。それほど、料理の味に喜ぶ。そして、短時間のうちに全ての料理が消えていった。

 その間、会話は一切なし。

 食に集中し、会話をするのが億劫――というより、それをする時間が勿体無いと認識していた。メイン料理以外の付け合せ。彼等にとって、それも美味しい料理のひとつ。その為、パセリもきちんと食べた。

 それにより、皿は舐めたように綺麗になっていた。彼等の食べ方にユアンは満足というより、唖然としてしまう。このような食べ方をする人間を、今まで目撃したことがないからだ。

 しかし、取り乱してはいけない。ユアンは自身に言い聞かせると、コホンと咳払いしていた。そして、魅力的な言葉を発する。何と、美味しいデザートを用意しているというのだ。

「食べます!」

「一体、何でしょうか」

「ラドック博士の料理でしたら、何でも食べます。それに、デザートは別腹になりますから」

「用意しているのは、アイスクリームだ。それに、ランフォード君が持ってきたケーキも食べよう」

「私、手伝います」

「あっ! それ、私がやるわ」

「何よ! 先に言ったのは、私よ」

「喧嘩は、みっともない。それなら、二人で手伝って欲しい。アイスは大量に作ったので、出すのが大変だ」

 ユアンの提案に、二人は同時に頷く。流石、尊敬している人物の言葉。想像以上の効力を持つ。間近で目撃していた男達は、ユアンが有している偉大な一面に関心するしかできない。そして同時に、ユアンに対して今以上の尊敬心を抱く。こうなると、完全に崇拝の領域だ。

「ラドック博士、私は……」

「ランフォード君は、休んでいていい」

「で、ですが……」

「そう言っているのだから、いいじゃないの」

 イリアの言葉を遮るように、女達の言葉が続く。彼女達にしてみれば、ユアンにいい印象を与えたいと必死になっていた。その為、同性は蹴り落としの対象となり、少しでも候補を少なくしたかった。一方のイリアは、シフォンケーキの件でユアンに好印象を与えていた。
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