エターナル・フロンティア~前編~

「僕ではなく、担当に言って下さい」

「いや、君の方が力を持つ」

「そうでしょうか」

「周囲は、そう思っている」

「買い被りすぎです」

 コーヒーを一気に飲み干すと、男に視線を向けつつ笑う。そして、自身が周囲からどのように見られているか再認識する。だが、驕り昂ぶることはしない。常に冷静を装い、男の意見を聞いていく。これも余裕のある生き方をしているからだろう、ユアンと男の差は大きい。

 何度も、関係ないと言い続ける。彼自身、これで話は終わったと思っているからだ。それに過大評価をしてくれても、何も出ない。勿論、協力する気も全くない。だからこそ、軽くあしらう。

 しかし、相手も必死。

 その為、食い付く。

「何故、其処まで……」

「そ、それは……」

「言えないのですか。いや、言えないですよね。やっていることは、同じだったりしますから」

 ユアンは、真っ直ぐな瞳で男を見詰める。

 彼が言っている「同じ」という言葉の意味。

 それは、能力研究を指している。

 一瞬、ソラがいる部屋を一瞥する。

 瞬時に視線をもとの位置に戻すと、言葉を続けた。

「人体実験ですか」

「いや……違う」

「何が違うのですか。あまり、否定の言葉を言ってほしくはないです。そうじゃないですか」

 いくら否定しようが、やっていることは同じ。どちらにせよ、裏の世界の出来事というのは間違いない。

 肉体を切り刻み、中身を覗く。

 自分と一緒か、違うのか。

 それを確かめるかのように。

 ユアンは過去に何度か、人間の身体を切り刻んだ経験を持つ。それは男女関係なく、年齢も様々。勿論、中に妊婦も含まれている。そして引きずり出した物体を丁寧に保存し、研究に用いる。

 それが、隣の部屋だ。
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