エターナル・フロンティア~前編~

 話すことに集中しているので学長は気付いていないが、数人が勝手に料理を摘まんでいる。

 勿論、誰も指摘しない。

 要は、黙認状態だった。

 そして、十分後――

 学長の話が終わった。

 長い話から開放された後、パーティーが開始する。誰もが美味しい料理を楽しみ、友人達と会話を繰り広げる。

 これから、別々の道を歩んでいく者達。それを寂しく思っているのか、事件の経過と共に話が盛り上がっていく。

 中には、アルコールでハイになる者もいた。

 卒業し、それぞれの道を進んでいく。

 必然的に、付き合いは減ってしまう。

 それを悲しんでいるのか、全員が盛り上がっている。

 勿論、イリア達も同じ。彼女達は全員、違う職業先だ。内容も内容なので、これが最後の出会いという場合も強い。

 誰もが、アカデミー時代の苦労を語っていく。

 いい思い出。

 悪い思い出。

 全てが、入り混じる。

 しかし、将来の目標は共通していた。

 立派になりたい。

 それに向かい、突き進む。

「この中の誰かが、ニュースに登場するかもしれないわね。勿論、いい話題よ。悪い話題は駄目」

「わかっているわ。犯罪は起こさないわよ。そんなことをしたら、夢が消えてしまうのもね」

「そうよ。立派になって、歴史に名前を残すわよ。でも、それってラドック博士のような……」

「それを言わない」

 ユアンの名前が出た瞬間、全員が項垂れてしまう。憧れの人物を目標としても、その位置まで辿り着くのは至難の業。奇跡を信じないと、同等の地位に就けないだろう。だからこそ、溜息が混じる。

「いいわ。私は私の道を進む。目標としている場所はあるけど、それが叶ったのはイリアだもの」

「そうね。じゃあ、イリアに期待」
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