エターナル・フロンティア~前編~

 だが、理解できなくもない。

 いくら文明が発達しようが、人類が宇宙に進出しようが、恋バナは女達のいい話のネタと化す。お陰で必要以上に盛り上がり、時折妄想が混じっていく。完全に、玩具状態だった。

「卒業と同時に、結婚するの?」

「し、しないわよ」

「そうなの?」

「じゃあ、嘘だったんだ」

 一箇所に固まって語り合う彼女達に、イリアは間髪いれずに言葉を掛けていた。彼女達が話している内容は、アカデミーでの噂話。その内容というのは「イリアは卒業後、幼馴染と結婚する」というものであった。勿論、そのような話は存在しないので、全くの偽りだった。

 それに、そのような話になったどうなってしまうのか。勿論、両親はいい顔をしないだろう。

 イリアの両親は、世間体を第一に考える。

 特に、父親が煩い。

 彼女自身、ソラとの将来を考えたことはある。しかし現実の状況を思うと、口に出すことはできない。

 それだけ、厳しい世の中だ。

 イリアが深く考えている横で、友人達は勝手に盛り上がっている。気楽というべきか、何と言うべきか。

 友人達に気付かれないように、溜息をつく。そして顔色が悪くなっていったが、表立っての変化ではない。それにより、大事に発展することはなかったが、盛り上がった話は続く。

「結婚は、憧れよね」

「そうよ。女として産まれたのだから、素敵で豪華なウエディングドレスを着て式を挙げたいわ」

「研究でどうこう考えていたけど、やっぱり此方かしら。でも、個人的には両方がいいわね」

 二頭追うものは一頭も獲ずという言葉があるが、彼女達は全てを手に入れようとしていた。これに関して、イリアは文句を言うことはしない。言葉で明確に表現することはしないが、同等の意見を持っていたからだ。やはり、得られる物は何でも欲しいと思うのが人間の心情。

 しかし――

 現実は、厳しい。

 そして、夢と妄想は自由行為。
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