エターナル・フロンティア~前編~

「飲みますか」

「……はい」

「では、用意します」

 男の言葉を受け取ったリダードは、手馴れた手付きでコーヒーを淹れていく。リダードは、砂糖のみ。しかし男の好みはわからないので、コーヒーと一緒に砂糖とミルクを差し出す。

「有難う」

 男は差し出されたコーヒーの中に、適量のミルクをいれていく。此方はリダードと違って、ミルクをいれるタイプらしい。

「美味しいです」

「それは、良かった」

「これも、例の物で稼いだもので……」

 何気ない言葉であったが、リダードは過敏に反応する。それを見た男はクスクスと笑うと、一言「冗談」と言う。

 しかしリダードにとって、冗談として捉えることはできない。その為、表情が険しくなる。

「ですが、正しい」

「……煩い」

「今更、何を」

 そう言うと、一口コーヒーを口に含む。

 一方リダードは、何も言うことはできないでいた。相当図星だったのか、動揺は隠し切れない。

「今回は、高く売れるでしょう」

「ピン撥ねは、激しい」

「気付いていましたか」

「当たり前だ。時折、割に合わない仕事と思っている。此方の状況も、考えて欲しいものだ」

「それは、此方も同じです。それに、こういう仕事とご理解の上、やられていると思いました」

「……わかっている」

 流石にそのように言われると、再び何も言うことはできない。相手が言っていることは正しい。

 それに、抜け出すことはできない。リダード自身、このような現実が突きつけられるとわかっていながら、同じことを繰り返してきたからだ。また、それを行っているお陰で、何とか孤児院が持っているといって過言ではない。しかし、その意味を知っている者はリダードと男のみ。
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