エターナル・フロンティア~前編~
相手の要求に、リダードは慌ててコーヒー淹れに行く。相手が発するオーラに恐怖心を抱いているのか、両手が震えマグカップを落としてしまう。幸い、中身は入っていないので床は汚れなかった。
ラビルは何も言わず、静かに眺めている。それが逆に、プレッシャーとして突き刺さってきた。
「い、今……」
それ以上、言葉が続かない。
ただ黙々と、コーヒーを淹れ続けた。
その後、孤児院の子供達に聞かせられない話を続ける。どす黒い感情が入り混じった中で――
部屋に戻ったユアンは、先程の出来事について考えていく。二人は、何を喋っているのか。
好奇心が疼くが、同時に聞いてはいけないことを聞いてしまったと後悔する。その為、ジレンマに陥る。
スッポリと布団を被り、孤児院の状況を考えていく。勿論経営状況など中心部分はわからないが、あのように不信感たっぷりの男が出入りしているとなると、何かあるのではないかと思う。
一般の子供より、頭の回転が素早いユアン。どうしても、物事を悪い方向へ考えてしまう。
院長は、何をしているのか。
だが、何もわかない。
ユアンは、何度も溜息をつく。そして、どのように自分の考えを伝えればいいのか迷ってしまう。
(でも……)
意思を伝えないと、先に進まない。
ユアンは自分に気合を入れるように頷くと、今夜カイトスのもとへ行くと伝えることにした。
それが、どちらの未来に繋がるかわからない。しかし一度選択したことを、返るわけにはいかない。
(……少し)
追いかけっこをしていたので、肉体的疲労が高い。それに、聞き耳を立てていた時に感じた精神的疲労。その二つが混ざり合い、急激な眠気を誘う。ユアンはベッドに仰向けで横たわると、暫く眠ることにした。夕食まで時間がある。サイドテーブルに置いてある時計を確認すると、瞼を閉じた。