エターナル・フロンティア~前編~
何が何でも実験を成功させてやる。
その思いが、義父を動かす。
「止めて」
何度も叫ぶ。
しかし、義父は聞き入れてくれない。
何故――
疑問は、新しい疑問を生む。
ユアンは高い知識を得たくて、現在の場所へ来た。だが、現実は大きく異なっていた。今、人体を弄くられている。
徐々に、言葉が掠れていく。
それに、意識が遠のく。
「何故だ」
義父が叫ぶ。
なかなかいい結果が出ないことに毒付いているのだろう、ディスクを叩き壁を蹴り上げた。
普段は柔和な表情が印象的の義父。しかし実験に取り掛かると、性格がガラっと変わってしまう。ある意味で、二重人格と表現するべきか。顔が歪む義父の姿に、背筋が凍り付く。
「お前が悪いんだ」
義父は、感情をユアンにぶつける。血走った瞳を継子に向けると、利き手で胸倉を掴み上げる。この行為は、非人道的。しかしそのように考えていないのか、感情を一方的に吐き出してくる。
「お前が拒んでいるんだ」
そもそも、普通の人間と科学者の人体構造は同じようで違う。
科学者として能力研究を行っている者なら、それを認識している。だが、それを忘れてしまったのか、罵倒を続ける。
肉体を作り変える。
精神を歪める。
それとも、別の方向か。
ディスクに置いてあった複数の薬瓶を手に取ると、それを無理矢理服用させていく。予想以上に、量が多い。
その為、喉から逆流し噴出す。同時に床に崩れ落ちると咳き込み、新鮮な空気を求めていく。
しかし、義父が休憩を許してはくれない。徐に髪を鷲掴みすると、顔を上げる。そしてどうして全部飲まないのかと、鋭い口調で尋ねる。だが、苦しいのでユアンは何も言えない。