エターナル・フロンティア~前編~
しかし、目的の駅は三つ後。それほど遠くはないので、扉の前に立っていた。この電車は、各駅停車。その為か、快速より速度が遅い感じがしていた。
ユアンは流れていく景色を眺めつつ、どのような知識を吸収しようか考えていく。だが、それを遮る泣き声が響いた。
母親に抱かれた赤ん坊。その赤ん坊が顔を真っ赤に染め、大きい口を開き泣いていたのだ。
何が気に入らないのか、母親が懸命にあやしていても泣き止む気配がない。赤ん坊の泣き声は甲高く、耳に痛い。その為か、同車両に乗っている乗客の視線が、赤ん坊に集中した。
言葉で注意しないが、視線で「煩い」と、訴えていく。その視線を感じた母親が、更に必死にあやす。だが母親の気持ちが通じないのか、赤ん坊の泣き声が車両の中に響き渡った。
見兼ねたユアンが、赤ん坊のもとへ行く。そして慣れた雰囲気で、赤ん坊をあやしていった。
するとどんなに母親があやしても泣き止まなかった赤ん坊が、ユアンのあやしでピタッと止まった。
「助かったわ」
「いえ」
「気持ちよく寝ているわ」
「可愛いです」
「貴方も可愛いわ」
その言葉に、ユアンはキョトンっとした表情を浮かべるが、相手の本音と知った瞬間、頬が赤く染まった。しかし、長く話している暇はない。次の駅に到着し、乗客が乗り降りをはじめたのだ。
「有難う」
「僕、行きます」
「ええ」
母親は口許を緩めると、ユアンを見送る。一方ユアンは照れを隠すように、車両の一番後ろへ行く。其処で、自分が降りる駅に到着するのを待った。数分後、ユアンは目的の駅で下車した。
小走りで駅の外へ出て行くと、図書館へ急ぐ。図書館は、駅の近く。その為、徒歩で行くことができた。
図書館といっても、大量の本が置いてあるわけではない。複数のパソコンが建物の中に置かれており、利用者はそれを使用して探している項目を選択し選んでいく。ユアンは開いているパソコンの前に腰掛けると、手馴れた手付きでキーボードを打ち、能力研究について調べた。