エターナル・フロンティア~前編~
今までの生活で、それを学習していった。そして現在、ユアンは最善の方法を使用していく。
お陰で、実に生き易い。
(本当に……)
建物の破片らしき物を爪先で蹴る。
しかし見事という言葉が似合うほど、綺麗に孤児院がなくなってしまっている。リダードの存在全てを消去した結果、こうなってしまったのだろう。跡地は、草が生い茂っていた。
惨め。
院長の生き方には、この言葉が似合う。
やり方は褒められたものではないが、ユアンは内心リダードに感謝していた。このような、面白い世界を体験しているからだ。
表で生きている人間にとって裏の世界は、危ないと認識している。しかしドップリと嵌ってしまうと、これほど刺激的で愉快な場所はなかった。
消して消される。
そして、地位を確立していく。
決して、表の世界では体験できない。
ふと、義父のもとに売られなかったら、どのような人生を歩んでいたのか――と、考えていく。
まずは、性格面が歪んでいないだろう。そして、科学者の道を進んでいたかどうかは怪しい。現在の地位を選んだのは、義父の影響。また、義父に復讐する為に大量の知識を取り込んだ。
それらの必要がなくなる。
なら――
普通のサラリーマンをしていると考えていいだろう。そして結婚して、子供を儲けている可能性も高い。
現在ユアンは、結婚する気はない。そもそも結婚して家庭に縛られるのは、嫌いであった。自由に生き、自由に研究を行なう。それが全て失われる結婚は、不自由そのものと考えていた。
義父に出会ったことによって、スリリングな世界を体験する。まさに、運命はどのように転がるかわからない。
ユアンはクスと笑うと、ある場所へ向かって歩いて行く。其処は以前、仲間達と仲良く遊んでいた場所。建物は無くなってしまったが、記憶の中で覚えていたので簡単に到着できた。日頃数々の非道な実験と研究を行なってきたユアンであったが、幼少の頃の楽しい記憶に浸ると、徐々に口許が緩んでいく。そして、懐かしい時期に唄っていた歌を口ずさむ。