エターナル・フロンティア~前編~

 別に、断ってもいい。

 しかし、折角の誘い。断っては失礼だと思い、レナの勧めを受け入れ夕食を食べることにした。

 といって、全てをレナに任せることはしない。彼も料理を作れるので、手伝うことにした。ユアンの料理の腕前は高いが、年期の差が大きい。その為、レナはテキパキと料理を作っていく。

 流石というべきか。当初自分も何か料理を作ろうとしていたユアンだったが、レナの手伝いで終わってしまう。だが、それはそれでよかった。やはり、目上の人物を立てないといけない。

 テーブルの上に並べられた、料理の数々。どれもが、俗に言う「お袋の味」という料理にぴったりだった。

 ユアンはそれらを口にしていき、正直な感想を言っていく。勿論、この料理は美味しかった。

 その全てが、ユアンが作った料理の上を行っている。

 内心、自分が作らなくて良かったと思うが、言葉に出すことはしなかった。ただ黙々と料理を口に運び、味を楽しんでいった。

 先程とは違い会話は特にないが、それはそれで良かった。ユアンにしてみれば、料理を味わいたかったからだ。

 そして、ここ数ヶ月の中で一番有意義な時間を過ごしていく。


◇◆◇◆◇◆


 約束の日。

 ユアンの誘いで、レナが研究所にやって来た。勿論、研究所で働いている者達は彼女の登場に、一斉に驚く。

 しかし、若い者はレナの存在を知らない。その為、上司にレナがどういう人物か尋ねていった。

 刹那、動揺が走る。

 真実を知った者は一様にレナに視線を向け、ヒソヒソと囁き合う。それは、悪口というわけではない。誰もが歴史に名前が残るであろう人物に尊敬を持ち、同時にユアンがそのような人物と顔見知りであることを驚いた。

「お待ちしていました」

 勿論、レナの出迎えを行なったのはユアン。いや、彼しかいなかった。レナのような人物を相手にできるのは、そうそういない。それに近寄りがたい雰囲気を持っていたので、側に寄ろうとはしなかったのだ。また、彼女をこの場所に呼んだのはユアン自身。だからこそ、出迎えた。
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