エターナル・フロンティア~前編~
「勿論です」
「……良かったわ」
「何故、其処まで……」
「贖罪よ」
「贖罪……ですか。僕は、今は贖罪は持っていないです。いや、いつかは持つのでしょうね」
「それは、わからないは。個々の感覚の問題。私は、たまたまそうだったわけ。貴方は、強いわ」
褒め言葉か、それとも相手を貶しているのか。レナはユアンを、普通の人間とは見ていない。
今まで数多くの人間に出会ってきたが、彼は異質な存在。これも幼少期に行なわれた義父の人体実験が深く影響しているのだろう、レナは長い溜息を付くと再び歩みを進めていた。
「会いたいわ」
「会ってみたらどうですか?」
「そうね。いつか、あの子が会ってくれるというのなら。此方からは、会いに行けないわね」
「僕が、言っておきます。その方が、いいでしょうから。尊敬している、コーネリアス博士の為です」
裏に何かが隠されていそうな言い方だが、今回は策略も何も考えていない。彼は本心から、二人を引き合わせようと考えていた。何らメリットを求めない今回の件。ユアンにとっては珍しいことだが、たまにはこのようなことを行なう。勿論、特定の人物に限ってのことだ。
「会うと言いましたら、連絡します」
「……有難う」
「いえ、僕はこれくらいしかできませんので。過去に、様々な面でお世話になりましたから」
「私は、何もしていないわ。貴方の努力が全て。努力をしていなければ、現在の地位に就けないわ」
レナは、目立ってユアンに手助けはしていない。ただ助言をし、道を指し示しただけ。レナは苦笑しつつ、そのことを言っていく。しかしユアンは、頭を振る。それだけ、世話になっているのだ。
ユアンは口を開き、どのような面で世話になったのか話していく。その時、前方から見覚えのある人物が歩いて来る。その人物というのは、イリア。彼女の登場にユアンは足を止め、顔を見詰める。するとイリア側もユアンの登場を驚いているのか、彼女も足を止めていた。