エターナル・フロンティア~前編~
二人が乗っているエレベーターの一部分は、半透明の壁で造られている。その半透明の壁にレナはゆっくりと壁に寄り掛かると、規則正しく並んでいる建物を眺め、物思いに耽った。
その時、エレベーターが屋上に到着する。
先に降りたのはレナ。
後を追い駆けるように、イリアも続く。
到着した屋上は、特に何も置かれていない。
イリアは今まで、屋上に来た経験がない。その為か、清々しい風に心がウキウキとしてくる。
「いい天気。そう、あの時のようね……」
ポツリと呟くレナの言葉に、イリアは首を傾げる。そして口を開き言葉を出そうとするが、その前にレナが言葉を出した。
「昔の話し。私が、就職した日もこんな天気だったのよ。本当にいい天気だったので、覚えているわ」
あの時は、胸を躍らせていた。
科学者になる為に、努力したのだから。
その夢が叶った。
それは、現在のイリアと同じ年齢だ。
レナはイリアを見ていると、当時の自分を思い出すと言う。それを聞いたイリアは、失礼とわかっているが、レナの若い頃のことを聞く。
それに対して無言で頷き、過去を語っていった。
彼女が科学者として働きはじめた頃、現在のように能力研究は盛んではなかったという。いや、それ以前にそのような分野は存在していなかったといっても過言ではない。それだけ、未知の分野だった。
しかしレナを含め数人の科学者が先頭に立ち、未知の分野の研究がはじまった。何事も、最初は悪戦苦闘が付き纏う。だが、彼女達の頑張りによって少しずつ解き明かされていった。
彼等の生態が――
「では、ラドック博士は……」
「彼も、ある意味では私達と一緒。私達が行なっていたのは、表面の部分。でも、彼が深い部分を追求した。だから、今のように……そう、今のように……現在の状況を生み出したのね」
レナは、それをいいか悪いかで区別することはしない。これも、時代の流れ。こうなってしまったのは、仕方がないことだと諦めているからだ。人間は、巨大な川の流れに乗り動いている。力を持つ者達は、偶然濁流の中に巻き込また。ただ、それだけのこととレナは言う。