エターナル・フロンティア~前編~

 イリアにとって、ソラは特別な存在。

 一方ソラにとって、イリアは――

 まだ、よくわからない。

 しかし、互いの間に不穏な空気が漂うことは、今のところ無い。それどころか、いい関係に進む。

 だが、時折チクっと心が痛む。

 勿論、理由はわかっている。わかっているからこそ、ソラもイリアも言葉に出して愚痴に表さない。

 漂う、悲壮感。

 レナはイリアの表情を見て、彼女の心情を知る。だからといって、同情心を持つことはしない。

 可哀想。

 苦労している。

 そのように言って、何になるのか――

 寧ろ、相手を苦しめる。

 言葉で言うのは、実に簡単だ。問題は、その先まで付き合えるということだ。

 本当に相手に救いの手を差し伸べるのなら、最後まで付き合わないといけない。中途半端ほど、非情はない。

 レナは高齢で、二人の今後を見守る自信がなかった。だからこそ、下手に同情心を持たない。

 しかし、言葉を送る。

 道標になるように。

 今は、それしかできない。

 それに対し、イリアは言葉が出なかった。いや、言葉が思い付かないのだ。正直、半分は理解できて半分理解不能。だが、それは仕方ない。理解するのには、イリアは若過ぎたのだった。

 そもそも、年齢の差が大きい。複雑な人生経験を歩んでいるレナに対し、イリアの人生経験は甘い。

 それでも、いずれはわかる日が来る。それを見込んでのことか、レナが言葉を送ったのだった。

「いいのよ。すぐに、わからなくても」

「は、はい」

 心情を見抜かれたことに、イリアは反射的にレナの顔に視線を向けてしまう。しかし長々と見ていることが失礼とわかったのか、素早く視線を逸らす。そして話を逸らすように、ソラにどうして会いたいのか尋ねていた。先程「心配していた」と言っていたが、詳しくはわからないからだ。
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