エターナル・フロンティア~前編~
扉を開け、ユアンが出て行く。
そして閉まり、再び静寂が広がる。
これで、外部に音が漏れない。
すると二人になることをアンドリューは待っていたのか、彼が口を開き本音を言ってきた。
『あいつは、恨んでいるな』
「勿論」
アンドリューは、自覚していた。
いや、今までのユアンの行動を身を持って経験しながら、自覚しない方がおかしいだろう。
彼はユアンがいる前では、強気に出る。これも父親の威厳を保ちたいのか、どちらかといえば此方側が彼の性格を表している。
「実力を示したい。だから、貴方は子供相手にあのようなことを……批判は、しないわ。昔の科学者も、人間の肉体を用いての実験を行ないたいと思っている。でも、それは人権問題に発展してしまう」
『医学面の発展も、肉体を用いれば……』
その先を言うことを憚れるのか、途中で言葉を止めてしまう。しかしレナは、相手が言いたい内容は理解する。
人間の肉体に用いるのだから、同等の物で実験を行なうのが一番だ。だが、同時に高いリスクも伴う。最悪、相手を殺す。それがあるので、心の中で「やりたい」と思っていても、実行はできない。
そう、世論が煩い。
『肉体が違えば、良かったのか……』
「違う?」
一瞬、何を言っているのかわからなかった。しかし、話の流れを考えると、自ずと答えが見付かる。
刹那、レナの身体が震えた。
「ソラ……君」
『誰ですか?』
「レグナード博士のご子息よ」
『……息子』
「今は、違う名前を名乗っているわ」
アンドリューは「レグナード」という名前を知っている。同時に、先に続ける言葉が見付からない。暫く沈黙を続けた後、アンドリューは「元気でしたか」と、言う。その言葉にレナは無言で頷くと、彼が言いたかったことを口にしているのだった。そう、力を持つ者の肉体を使うと――