エターナル・フロンティア~前編~
それが、現在の状況を作る。
科学者にとっては、それは好都合だ。
何せ、大々的に実験と研究を行なえるのだから。
彼等は言う「世間が認めている」と――
レナは思う。何故、この状況に流れていってしまったのかと。彼女が若い頃は、それはなかった。
その疑問にアンドリューは、彼なりの理論を加え答えていく。勿論、それが本質を突いているかは不明だ。
人間は、マイノリティーよりマジョリティーの方が生き易い。右を向けと言えば右を見て、周囲が批判すれは同調する。
まるで、それが正義のように。
しかし、これが人間の生き方。
誰もが、強い意思を持っているわけではない。そのいい例が、アンドリューだ。何だかんだで、彼も被害者。
そしてユアンの場合、被害者が被害者を生み出した。その悲しい実情を作るのが、現在の世界。
『……博士、お話が』
「改まって、何?」
だが、アンドリューはすぐに言葉を続けない。
理由は、相当のものか。
逆に、レナが口を開く。
「裏情報ね」
『……そうです』
「彼は、知っているの?」
『大体は。その話をしていた時、笑っていました。どうやら、このようなことをやるとわかっていたようで……』
「彼らしいわ」
レナが言う「彼」というのは、勿論ユアンである。そして、アンドリューが言う裏情報の中心部分にいるのが、研究所の上層部。彼等は、能力研究での副産物を当てにしているのだ。
そのひとつが、健康で長生きすること。現在の科学力と最先端の医療を使い、自分の身体を作り変えていく。
しかし、それでも足りない。結果、彼等は人間として行なってはいけないことに手を出す。それは、力の融合を目的としているのか。またそれを行なうことで、気分的に「取り込んだ」と、脳味噌に植え付ける為か。彼等は、研究で用いている生き物を食らっているのだ。