エターナル・フロンティア~前編~
肉。
内臓。
血液。
それを胃袋に納める。
喰らう者にとって、それらはどのような物だと思っているのかは、本人に尋ねないとわからない。
いや、回答を得ても理解し難い。
この世で一番恐ろしい生き物は――
それは、人間である。
複雑に絡み合う感情は、現在の科学でも正しく再現するのは難しい。誰もが裏と表を持ち、どちらに比重が置かれるかはその人物の生き方で決まる。また、時に裏と表が逆転する。
だから、喰う。
真実を知らない者がこの話を聞けば、抑えることができない吐き気が込み上げてくる。だが、レナは厳しい表情を浮かべるだけ。
「食事ね」
『良い表現ではないです』
「でも、彼等にとっては……」
『……確かに』
欲のままに動いた為か、それとも本能的に肉を求めているのか。圧倒的に、これはマイノリティーだ。しかし裏側の世界では、マジョリティーに変化する。それを行う人物が、権力を持っているからだ。
「質問、いいかしら」
『何でしょうか』
「大多数の意見と少数の意見。どちらを取る?」
『今回の場合は、少数意見は受け入れることはできません。流石に喰らうのは、ちょっと……』
「懸命な意見ね」
『と言って、大多数の意見が正しいとは限りません。小数意見の方が、時として正しい場合があります』
アンドリューの意見に、レナは頷く。
これも人間が持つ、同調力が関係しているのか。人間は、複数の意見が正しいと思い込む。あるものに対し、絶賛する多くの意見が集まった。それを違うと批判した場合、批判者が悪者を吊し上げられる。
しかし、物事は多方面から見るもの。たとえそれが優れている物があったとしても、人間が作り出した物は完璧ではない。よって、批判があってもおかしくはない。