エターナル・フロンティア~前編~
二人は手洗い場に行くと、蛇口の下に手を翳し水を出す。冬という季節も関係し、流れ出る水が冷たい。だが動物に触れる前に手を洗わないといけないので、我慢し手を洗っていく。
しかし手は、水で洗っただけで終わりではない。蛇口の側に置かれている液体石鹸を使い、更に綺麗に洗わないといけないのだ。二人は液体石鹸を掌に乗せると、満遍なく綺麗に洗っていく。
その後水で丁寧に泡で洗い流していくと、レナがバックから取り出したハンカチで手を拭いた。
綺麗に手を洗った二人は再び飼育員のもとへ行くと、手を洗ったことを伝える。すると飼育員は「どうぞ」という言葉と共に、二人を柵の中へ通し生き物に触れることを許可してくれた。
「婆ちゃん、先にいいよ」
「怖いの?」
「怖くはないけど、年上だから」
「気を使わなくてもいいのに。でも、ソラ君のそういうところは好きよ。本当に、有難うね」
レナはソラの言葉を受け入れると、近くでのんびりとしていた生き物の身体に軽く触れてみる。
モコモコとした毛並みは、見た目と違いゴワゴワとしている。しかし、決して不快なゴワゴワというわけではない。
「気持ちいいわよ」
「なら……」
「ほら、触ってみなさい」
「う、うん」
促される形で、ソラは目の前の生き物を触れてみることにした。生き物を恐れているわけではないが、はじめて触れる生き物に対してはどうしても警戒感を抱いてしまう。それに、下に転がっている物が気になる。
その時、事件が発生した。何とレナが、地面に転がっている黒い物体を踏んでしまったのだ。
「婆ちゃん、靴が」
「あら、大変」
「洗わないと」
生き物の排泄物は悪臭を漂わせているので、早く拭かないと臭いが染み付いてしまう。ソラはレナの手を握り先程手を洗った場所へ連れて行くと、彼はリュックの中からティッシュを取り出しそれを水で濡らす。それで黒い物体を拭くようにと手渡すが、靴を拭くには脱がないといけないので場所が悪い。