エターナル・フロンティア~前編~

 すると気に入った野菜が見付かったのか、数個の野菜を手に取る。だが、入れ物がないので手で持つのには限度がある。見兼ねたレナは慌てて出入り口の周辺に置かれている籠を持って来た。

「有難う」

「いいのよ。それに、多くの食材を買うみたいだから。これは、私が持っているわ。これくらいしないと」

「駄目だよ。婆ちゃんは、歳だし」

「歳だけど、これくらいはやらせて欲しいわ。何でもかんでも、貴方にやらせるのは悪いわ」

「なら……」

 そのように言われると、流石に断ることはできない。だが身体は心配なので、重くて無理だったら言って欲しいと頼んだ。

 ソラの言葉に頷き返すと、レナは彼が選んだ野菜を籠の中に入れていき「よいしょっと」という掛け声と共に、持ち上げた。

「次は、何かしら」

「デザート用の果物を買おうと思っているんだ」

「あら、随分本格的ね」

「でも、ちょっと手を抜くんだ」

 きちんとした料理を作る場合、昼前から下ごしらえをしないといけない。しかし今日は時間がないので、それほど時間を掛けなくても作れる料理を振舞う。だが、いつか時間を掛けて作った料理を振舞いたいと言った。

 勿論、互いの都合が良いときではないといけない。レナは第一線を離れているので、時間的にいつでもいいのだが、ソラの方は「好きな時に」というわけにもいかない。だが「いつか」という約束はしておく。

 曖昧でいい加減に近い約束だが相手は信頼が置ける人物で、レナにとっては可愛い孫。彼女は、約束の日が訪れることを楽しみに待つという。そして、熱い視線をソラに送っていた。

「休暇かな」

「無理して、取らなくてもいいのよ」

「無理というか……その……婆ちゃんに言うと気分を害すと思うけど、研究や実験の後に高確率で休みを取れるんだ」

「そう……なの」

 なるべく暗い話をしたくはなかったが、嘘を付くわけにもいかないのでソラは正直に話した。研究や実験は、勿論ソラの身体を使用したもの。結果、翌日まで後遺症が残り酷い場合はベッドから起き上がることができない。それだけ、徹底的にソラを追い詰めていくのだ。
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