エターナル・フロンティア~前編~
「どうぞ」
「お邪魔します」
挨拶と共に、普段レナが寛いでいるリビングに向かう。女性の一人暮らしの部屋だが、レナは高齢ということも関係し落ち着いた色で家具が統一されている。また、ゴテゴテと物が置かれていない。それに掃除も行き届いており、窓から差し込む光が床に反射していた。
幼馴染に女性がいるが、彼女の私室に立ち入ったことはない。ソラにしてみれば、女性の部屋に入るのはこれがはじめて。はじめて見る女性の部屋に、何処か感心しているようだ。
しかし、ジロジロと見るのは失礼に当たるので、ソラは急いでレナの後に続きキッチンへ向かった。
「其処に置いて」
「はい」
「それと、冷蔵庫の中は好きに使って」
「あの……調味料は?」
「調味料は、其処の棚の中にあるわ」
「うん」
レナの説明にソラは軽い口調で返事を返すと、袋から購入してきた材料を取り出していく。
その姿を見ていたレナは手伝うことを申し出るが、ソラは丁寧に断る。今回、レナは料理を食べる役。料理が出来るまで待っていて欲しいと頼むと、いそいそと調理をはじめていく。
無駄のない動きで下越しらいをしているソラを暫く見詰めていると、レナは無言で頷き自分はリビングへ向かう。しかし何もしないで待っているのは、これはこれでつまらないもの。
といって、何をしていいのか思い付かない。ここは無難にテレビを観るのが一番いいと思ったのか、テレビの電源を入れ映し出されたニュース番組を観ることにした。現在、キャスターが説明しているのは世界情勢。この内容は連日放送されているので、結構有名な話だ。
椅子に腰掛け、テレビの中で動いている画像を無表情で眺めている。すると、キッチンの方から何かを炒める音が聞こえてくる。それと同時に、食欲をそそるいい匂いが漂ってきた。
今、何を作っているのか。ちょっと気になったレナは椅子から腰を上げると、キッチンへ行きソラの様子を眺める。だが、声を掛けることはしない。ソラは真剣に料理を作っているので、邪魔しては悪い。それに、どのような料理が出てくるのか楽しみにしていようと思ったからだ。