エターナル・フロンティア~前編~
「どうしたの?」
「今日作った料理の方が、美味しくて」
「普段は、違うの?」
「忙しい日は、手抜きしているから。このようにシッカリと作ると、美味しくなるんだ……と」
「でも、きちんと作るのは偉いわ。男の人って、料理に関しては全く駄目な人が多いものね」
その言葉に、ソラの脳裏にカディオの顔が浮かぶ。彼は正直言って、料理は下手だ。いや、下手というクラスではなく破滅的な料理を作る。その理由として、殆んど外食で済ませるからだ。
しかしこれに関して、レナに報告することはしない。親友の悪い部分を態々話す必要がないからだ。ただ、ソラは「知り合いに一名いる」と言い、クスクスと笑い続けるのだった。
「その人に、料理を作ってあげているの?」
「……たまに」
ソラが言う本音に、レナは噴出していた。だが、わからなくもない。これだけの料理を作れるのだから、周囲が「作って欲しい」と、求めてしまうだろう。現に、レナも求めてしまう。
「料理を作る相手は嫌いじゃないから、作っているんだ。それにオレ自身も、料理が好きで……」
語られる言葉に、レナは食事に手を付けつつ聞いていく。ふとその時「ソラと結婚した女性は、幸せになれる」と思うが、それを言葉に出すことはしない。ソラの結婚問題は、複雑に絡み合う。
いい相手がいて互いに相思相愛の関係であっても、相手側の両親が何と言うかわからない。
それだけ、ソラの立場は厳しいのだ。
楽しい食事を一変させる話を交えてはいけない。長年の経験で知っているレナは、ただソラの言葉を聞き続ける。すると、いい内容が思い付く。それが、料理の仕方についてだった。
レナの質問に対しソラは、身振り手振りを加えて語っていく。相当料理に情熱を持っているのだろう、暫くすると言葉に熱が入り興奮していく。それに対しレナは何度も頷き返したり、また驚きの表情を作り聞き入る。
美味しい料理に舌鼓を打ち、同時に話を楽しむ。その後、和気藹々とした時間が続く。そして料理が食べ終わり片付けが終了した時は、外は闇に包まれ人工的な明かりが闇の中に浮かぶ。それに気付いたソラは明日は研究所に行かないといけないので、自宅に戻ると言う。