エターナル・フロンティア~前編~
だが、生魚の点を抜かせば魅力的な部分が多い。この場所でのんびり一日過ごしたら、どんなに気持ちがいいか。
それに別の惑星に行くわけではないので、旅費は安く済む。また、たまに文明社会から離れて生活するのも悪くはない。テレビ番組を観ていると、徐々に行きたくなってくる。ふとその時、一人の顔が思い浮かんだ。
相手は、幼馴染のイリア。
刹那、ソラは苦笑してしまう。だが、悪い気持ちはしていない。逆に、心に温かいものが広がってきた。
(イリアは、何と……)
リフレッシュ前提に行くとした場合、一人で行った方がいい。だが、何となく一人で行くのが寂しいと思う。
それなら孫と祖母の関係となったレナと一緒に行くのがいいだろうが、今回はイリアの顔が浮かんだ。
(聞いてみるか)
どのような反応が返ってくるかわからないが、聞いてみる価値はある。しかし、恥ずかしさが込み上げてくる。互いに付き合っている同士とはいえ、どうも照れが存在してしまう。
といって、今すぐに電話を掛けない。現在の時刻を考えると、いくら幼馴染とはいえ失礼だ。
ならメールという手も考えられるが、直接返事を聞きたいという気持ちが強いので電話で質問することにする。
テレビを観ながらそのようなことを考えていると、ドライヤーの音が響く。その音でレナが風呂から出て来たことに気付くが、すぐに行動に移らない。女性は風呂から出て来ても長いと知っているからだ。
案の定、その考えは正しかった。寝巻きの上にガウンを羽織っているレナが姿を見せたのは、ソラが観ていた番組が終了した頃だった。と同時に、ソラはテレビの電源を切る為に立ち上がる。
「あら、観ていたのね」
「暇だったから」
「御免なさい。長くて」
「いや、此処は婆ちゃんの家だし」
「貴方も、ゆっくり入ってきなさい」
彼女の言葉に頷き返すと、ソラは部屋から出て行く。すると、途中で足が止まった。レナの家に来たのははじめてなので、風呂が何処にあるのかわからない。ソラは踵を返し慌てて戻って来ると、風呂は何処にあるのか尋ねる。そのことにレナはハッとなり、教えていなかったことを謝った。