エターナル・フロンティア~前編~

「これ、どうすればいい?」

「捨てちゃっていいわ。それとも、記念に持って行く? そのあたりは、貴方に任せるわよ」

「捨てるよ」

「あら、勿体無い」

「ば、婆ちゃん……」

 乗り突っ込みに近いやり取りに、ソラは脱力感を覚える。しかし負けてはいけないと自分に気合を入れると、歯ブラシを近くに置かれていたゴミ箱の中に捨てる。その姿にちょっと残念そうな表情を浮かべるレナであったが、ソラは彼女の表情を見なかったことにした。

「婆ちゃん、お待たせ」

「もう、寝る?」

「やることないし。それに、早いから」

「わかったわ。お休みなさい」

「お休み」

 微笑を浮かべ返事を返すと、ソラは真っ直ぐ二階へ行きベッドに横になった。窓から、冷たい光が差し込んでくる。其方に視線を向ければ、冷たく青白い光を放つ惑星。眩しいという感覚はなく、寧ろ美しい。散りばめられた無数の星の中に浮かぶ、丸い宝石と表現できる。

 暫く惑星の明かりを眺めていると、あることを思い付く。明日早い時刻に起床に、朝食を作る。簡単な料理になってしまうが、レナの為に食事を作ろうと思う。これもまた、婆孝行である。

(何を作ろうか)

 普段、朝食を食べないソラ。だが彼が持つレパートリーは多いので、簡単に作ることができ尚且つ胃に負担がない料理を作ればいい。しかし、問題もある。朝食を作る材料が、残っているかどうか。

 一度、冷蔵庫の中身を確認した方がいい。ソラは起き上がり確認に行こうとするが、急に襲ってきた強い眠気に負けてしまう。クラクラと身体を左右に揺らすとそのままベッドに倒れ込み、枕に顔を埋める形で深い眠りに付く。そして外が白む時刻まで、目覚めることはなかった。




 翌朝、小鳥の鳴き声でソラは目覚めた。彼は欠伸と同時に身体を伸ばすと、身体を起こす。すると、身体がブルっと震えた。今の季節を考えると、朝は冷え込む。それに殆んど毛布を掛けて寝ていないので、完全に身体が冷え切ってしまっている。そして風邪をひいたのか、くしゃみをしてしまう。
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