エターナル・フロンティア~前編~

 冷えた身体を温める為にシャワーを浴びるのが一番だが、生憎自分の家ではないので勝手に使用できない。レナと孫と祖母の関係を築いたとはいえ、まだまだ他人同士。許可を得ずに使用するのは、気が引ける。

 ソラは二度目のくしゃみをするとベッドから下り、一階へ向かう。シャワーは使用しないが、顔を洗いたい。これくらいなら断りがなくても大丈夫だと思ったのか、ソラの足取りは速い。

 洗面所の前に行くと、手櫛で髪を整えていく。その後、丁度いい温度のお湯で顔を洗い昨夜使用したバスタオルで拭く。

 ソラは女性ではないので化粧はしないので、これで準備が完了。後は、朝食を作れば完璧だ。

 まだ、レナは寝ている。彼女を起こしてはいけないので足音を極力たてずに、キッチンへ向かう。そして冷蔵庫を開きどのような食材が残っているか確かめ、頭の中でレシピを組み立てていく。

「これでいいか」

 彼が考えているのは、フレンチトースト。それと残った野菜を使用し、サラダを作ればいい。

 冷蔵庫から材料を取り出していくと、テキパキトした動きでフレンチトーストを作っていく。しかし暫く卵の中に浸さないといけないので、浸している間にサラダの用意をはじめた。

 冷たい水で野菜を洗い、食べ易いサイズに千切っていく。残っている野菜はレタスとキュウリだけなので緑一色になってしまうが、キュウリを斜めに切ってちょっと華やかさを演出する。

「よし」

 綺麗に盛り付けられた野菜を目の前に、ソラは満足そうに頷く。だが、調理はこれで終わったわけではない。次に丁度いい具合に浸ったパンを、バターで焼いていかないといけないからだ。

 フレンチトーストを作るのは久し振り。しかし料理を得意としているので、久し振りの調理も難なく作ってしまう。朝から食べるということで砂糖は普通より少な目が、見た目は凄く美味しいそうだ。

 彼が作っているのは、一人前。今朝は体調が優れないので、朝食は抜きだ。人によっては朝食を食べないと元気が出ないという人物がいるが、ソラは逆に食べると調子が出ないことが多い。

 フレンチトーストとサラダをテーブルの上に置くと、棚の中からサランラップを取り出し料理の上にかけていく。これで、レナがやって来るまで埃が被る心配がない。ソラは並べられた料理に視線を落とすと、満足そうに頷く。そして、レナが喜んでくれればいいと願う。
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