エターナル・フロンティア~前編~

 リオルはソラと一緒に何処かへ行けると勘違いしているのか、彼がベッドから下りると激しく尻尾を振り出す。何も知らないからこそ平和に過ごせるのだろう、リオルのはしゃぎ方にソラは複雑な表情を作る。

 そっとリオルの身体を撫でた後、視線をユアンに向け準備が整ったということを頷き伝えた。

 一方ユアンも頷き返すと、ソラを自分の義父がいる場所へと案内する。その途中、二人の間に会話はない。


◇◆◇◆◇◆


 ユアンの義父リダードは、ソラの登場に驚きを隠せないでいた。だからといって肉体が失われているので、逃げ出すことはできない。ただ「何故だ」という言葉を繰り返すのだった。

「何を恐れているのですか?」

 動揺している義父に、ユアンは冷笑する。彼にとって義父が動揺している姿は何よりも面白く、過去に負った傷が癒されていく感じがした。また愉快で楽しくて、義父を苛めるより爽快だった。

『何しに来た』

「貴方は頭がいいですから、彼を連れて来た時に理解なさったと思いましたが。違いますか?」

『くだらないことを……』

「それは試してみないと、わかりません。これから行なわれることは、貴方にとっては最悪でも僕にとっては最高のことです。それに貴方が強情だったのが、そもそもの原因ですから」

 ユアンの言葉から身の危険を察したのか、リダードはユアンが考えていることを止めて欲しいと訴える。

 しかしユアンが、それを止めるわけがない。彼が言葉に発したように、義父を甚振ることが最高の快楽。またソラに話した通り、義父が隠している情報を知りたいので止めることはしない。

『何をする』

「精神感応です」

「何!?」

 勿論、リダードは「精神感応」の意味を知っている。知っているからこそ、激しく拒否の意思を示すが、ユアンが義父の意見を受け入れるわけがない。それどころか、ソラに早く精神感応を行なうように命令する。彼の言葉に無言を続けていたソラは頷くと、リダードの脳味噌が入っている機械に軽く触れた。
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