エターナル・フロンティア~前編~
ソラの意思を相手の精神に同調させて、相手を此方側の支配下に置く。言葉では簡単だが精神感応を苦手としているソラは、同調に苦戦する。また、相手が強い拒絶を示し抵抗してくる。
しかし強い力を有しているソラに、一般人が勝てるわけがない。最初は抗っていても、徐々に支配下に置かれてしまう。
肉体と違い、精神面の掌握に伴う苦痛は想像以上のもの。結果、リダードは悲鳴を上げた。
その時、何を思ったのかソラは機械から指を離す。何かトラブルが発生したのか、顔色が悪い。
「どうした?」
「不愉快な光景を見て……」
「相手と精神を同調している。それにより、義父の記憶を見てしまったのだろう。さて、どういうものか……」
「……殺していた」
「仲間か?」
「……はい」
余程衝撃的な光景を見てしまったのだろう、ソラがリダードに殺意に似た感情を抱いていることにユアンは気付く。
別に、それはそれで良かった。仲間を殺害されて、平然としていられる者はいない。ソラの感情は普通の感覚であり、できるものならその感情でリダードを痛めつけて欲しいとユアンは思う。
「やれるか?」
「……平気です」
「なら、頼む」
「はい」
再びリダードの脳味噌が入れられている機械に触れると、意識を集中する。最初は相手を殺してはいけないという気持ちが働き手加減していたが、先程仲間を殺している光景を見てしまったので手加減ができない。
何故。
どうして。
疑問が力となり、リダードの精神を幾重にも縛り付ける。これは精神感応ではなく、精神を攻撃している。
そう危惧したユアンはソラの手首を握り締めると、無理矢理引き剥がす。これによりリダードの精神リンクが切れ、ソラの意識を引き戻す。相当強い力を使用していたのか、額に大粒の汗が滲み出し肩で呼吸を繰り返している。だが、感情が納まらないのか目付きが鋭い。