エターナル・フロンティア~前編~
情報を頼りに、二十年前の状況を探っていく。途中、ユアンが危惧していた通り、ソラの感情を逆撫でする光景を何度も目撃してしまうが、何とか感情を封じ力の使用を抑え込む。
ふと、それらしき光景がソラの脳裏に写る。複数の白衣を纏った人物が一室に集合し、何やら会話をしている。
リダードの記憶を探っているのでリダード本人の姿は確認することはできないが、白衣を纏う人物が複数集まり真剣な面持ちで会話をしているところから、この記憶が正しいと確信する。
どのような顔ぶれが、集まっているのか。ソラは、集合している人物の顔を確認していく。
リダード以外、誰も知らない――当初はそのように考えていたソラであったが、一人の女性の顔を見た瞬間、衝撃を覚える。今見ている光景が二十年前ということで、その女性の面持ちは現在と多少異なっているが、間違いなければこの人物はレナ・コーネリアスである。
しかし、よくよく考えればレナ・コーネリアスは能力研究の第一人者なので、この場所にいてもおかしくはない。それに詳しくは知らないが、レナも裏で様々なことをしていたという。
ソラは再び、集まっている者の顔を見ていく。
刹那、先程以上の衝撃を覚えた。
(……父さん)
何故、この場所に父親がいるのか。
何をするというのか。
ソラを襲う衝撃は、先程レナの顔を見た時より凄まじい。ユアンは「義父があるプロジェクトに関わっていた」と言っていたが、まさかそのプロジェクトにソラの父親も関わっていたとは。
いや、それ以前に父親が科学者(カイトス)として働いていたこと自体知らなかった。ソラは、父親から会計関係の仕事をしていると聞かされ、その職業で金を稼いでいたと信じていた。それが全て嘘で、本当は――
嘘を付かれた。
信じていた父親に裏切られたことに絶望感を覚えるが、だからといって憎しみを抱くことはない。
それどころか「何故、職業を偽ったのか」という点を知りたかった。息子が、力を持って産まれたからか。それとも、隠さなければならない特別な理由があったからか。そもそも彼等が行なおうとしているプロジェクトというのは、どのようなものなのか。
ユアンに協力という形で行なった精神感応であったが、今はソラの方もリダードの過去が気になりだした。