エターナル・フロンティア~前編~
人工的に生み出す。
ふと、誰かがそのように発した。
一体、何を生み出すのか。
いや、その疑問は正しくはない。ソラは彼等の考え方や行動を知っているので、言葉に隠された意味は判明していた。
その後に続く言葉で、ソラの考えが正しいと知る。そう、彼等が「異端」と呼んでいる者を人工的に生み出そうとしているのだ。
神を冒涜するのか。
信仰心を持つ者が聞いたらそのように言葉を発していただろうが、文明文化が発展している現在、信仰心は殆んど失われている。だから、人間が人間を生み出しても何ら問題はない。
それ以前に、彼等は神の存在を信じていない。全ては科学で証明でき、信仰はナンセンスだという。それに神の存在を信じている者は、自分に自信がなく弱い心の持ち主と嘲笑う。
しかし、どうして生み出すのか。
その点が、わからなかった。
相変わらず、プロジェクトの参加者が言い合っている。言葉の中に罵倒が混じり合い、汚い言葉で罵る。
正直、聞いていていい言葉の数々ではないが、真相を知る為には聞き続けるしかなかった。
人工子宮ではもたない。
誰かが、そのように発した。それに釣られる形でソラも同じ単語を発し、ユアンに情報を与える。
「……なるほど。数を増やす為に、そのようなことを行なっていたのか。僕が行なおうとしたら、止めた癖に……」
義父が行なっていた実験や研究の数々が自分とやっていることと同じだったことに、ユアンは身体を震わせながら笑った。
同時に、いい事を思い付く。義父が行なっていたのなら、自分もできないことはない。それに、いい資料が残っている。
しかし、資料が残っていても欠落が多いので、肝心な部分がわからない。だからその点を聞き出してほしかった。
「……義父さん」
父親を呼ぶユアンの声音に、ソラは精神のリンクを切らしてしまう。再び精神感応を試みようとするが、ユアンがそれを制する。何でも、少し義父と話したいという。彼の言葉にソラは頷き返すと足下で礼儀正しく座っているリオルを抱き締めると、部屋の隅へ後退していく。