エターナル・フロンティア~前編~

 相変わらず、勘のいいユアン。

 いや、この場合は物事を的確に見抜く能力に長けている。と、表現した方が正しいだろう。

 成長著しいユアンの姿に、リダードは肉体を持っていたら大量の汗をかいていたに違いない。

「で、プロジェクトの詳細は?」

 しかし、リダードからの回答はない。言葉に出すのが憚られる内容なのか、それとも些細な抵抗を行なっているのか。どちらにせよ立場が上のユアンに適うわけがなく、逆に攻撃を受けてしまう。

 どのように足掻いたところで、肉体を持たないリダードが勝つことはできない。それはわかっているが、リダードはプロジェクトの詳細を話すことはできない。それだけ、内容に問題が多かった。

「何故、言わないのですか?」

『お前が知るべきものではない』

「そうでしょうか? 僕というより今回のプロジェクトは、彼が深く関わっていると思いますが」

 急に話が振られたことに、ソラの身体が過敏に反応を示す。だが、確かに例のプロジェクトにはソラも関係しているといってもいい。職業を偽っていたソラの父親が参加しており、言葉に出せない何かを行なっていたという。だからソラも、リダードの口から真実が知りたかった。

「ほら、彼も知りたがっています」

『たきつけるのが上手いな』

「そういうことはありませんよ。先程申した通り、真相を知りたいだけです。特に、ヨシュアという少年を――」

 遭えて「ヨシュア」という名前を強調するユアン。其処から見え隠れするのは、ユアンが「ヨシュア」という人物を知っているということ。彼は資料を見て名前を知り、彼に関しての知識は乏しいという素振りを見せているが、この言い方だと何かを知っている可能性が高い。

 リダードは、その点を追求する。

 刹那、ユアンが笑い出した。

「ああ、隠せませんか」

『貴様!』

 ユアンが嘘を付いていたことに、リダードが激昂する。しかし義父の激昂もユアンは笑い飛ばし、激昂する権利を持っていないと忠告する。それに例のプロジェクトに参加していたのだから、リダードの口から真相を話さなければいけない。勿論、ヨシュアのこともだ。
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