エターナル・フロンティア~前編~
「どうしたのかな? ランフォード君」
「お、おはようございます。本当に、すみません。博士が来ていることに、気が付かなくて……」
「いいさ。ところで不機嫌な顔をしていたが、何かあったのかな? 女性に不機嫌な顔は、似合わない」
「そ、それは……」
「何か、あったのかな」
「い、いえ……」
「ランフォード君?」
相手はイリアが憧れている人物だが、相談できることとできないことはある。それに「友人の合コン」と言ったら、どのような反応が返ってくるか。ユアンの性格の性格なら笑って話を聞いてくれると予想できるが、心の中まではわからない。内心、ふしだらな女性と認識される確立が高い。
「詳しくは、聞かないでおくよ。そうだ、アカデミーは大丈夫なのかな? 卒業が近いと聞くし」
「アカデミーは、平気です。単位も出席日数も、足りていますから。あと、卒論を仕上げるだけです」
周囲を見渡すと、自分が真っ先に声を掛けられたことに気付く。声が弾んでしまうが、お気に入りの服でなかったことに残念な一面を見せる。ユアンは近くにあった椅子を引き寄せると、時間を掛けて話すつもりなのか腰を下ろす。そんなユアンの行動に、イリアは口許を緩める。
「流石だね。まあ、これが当たり前なのだろう。普通に行うことをできない者も、中にはいるからね」
「そうなのですか?」
「まあ、目立つね」
「そ、それは……」
「君達じゃない。しかし、ランフォード君の通っているアカデミーの中に、いたと思ったが」
「知っているのですか?」
「まあ、誰とは言わない」
「恥ずかしいことです」
「確かに、立派とはいえない」
その言葉に、あの二人の行動が当て嵌まる。今ユアンが言ったことを聞かせてやりたいが、言ったところで改善されるという見込みはない。いや、科学者からの言葉。将来目指す者から言われれば少しは改善するのではないかと考えるが、アカデミーの信頼を失墜しかねない。