エターナル・フロンティア~前編~

 相談したところでいい回答を得たとしても、アカデミーの名前に傷を付けてしまったらもとも子もない。相談すべきかしないべきか――そう悩んでいると、ユアンが別の話をしだす。

「ところで、アカデミーでの研究はどうかな? 君のことだから、研究も捗っているだろう」

「はい。今研究している内容を、卒論として纏めるだけです。その内容なのですが、最近発見された水中生物の研究をしています。惑星自体は水が90%を占め、陸地は無いといっても過言ではありません。よって生物は、水中生活に適応した独特の進化を遂げています」

「水の惑星という感じだね。そこには、人は暮らしているのかな? やはり、そこが気になる」

「原住民は、存在しているようです。しかし暮らしている場所は陸地ではなく、海の中でした。やはり、水の占める割合が多いからでしょう。知的生命体も私達と違う進化をしておりまして、これはとても驚きです。宇宙は広いですから、進化はひとつだけではないのですね」

 イリアはキーボードを打ち、情報を引き出していく。するとディスプレーにはその惑星に生息している生物の写真と共に、原住民の写真が映し出された。一見、地上で暮らしている人間と同じ姿をしている。しかし肺が異様に発達しており、水中で呼吸が可能だという。

「なるほど。思わぬ発見だな」

「文明も思った以上に発達していまして、私達の研究にも協力してくれています。これは、驚きです」

「それなら、我々の仲間になる日も近いな」

「そうですね。仲間が増えることは。嬉しいです。それと、彼等と友達になることができればいいです」

「有難う、参考になった。君の情報収集の的確さや分析力は、なかなかのものがある。将来、期待しているよ」

「いえ、そんな……」

 ユアンに誉められ、イリアは頬を赤らめながら照れ笑いをする。それに憧れを抱き目標としている人物に“優秀”と言われれば、ますます研究に力が入ってしまう。と同時に、アカデミーを何が何でも卒業しないといけないと決意を固め、いい卒論を書こうと気合を入れる。

 目標達成の為に、日々努力しないといけない。何としてでもユアンに認めてもらいたいと思い、また他の人物に負けたくないという競争心が芽生えてくる。そうなると、二人の存在が厄介になってしまう。何かに付けて「手伝って」と言ってくるので、いっそのこと縁を切った方がいい。
< 68 / 580 >

この作品をシェア

pagetop