エターナル・フロンティア~前編~

「そうなのか。幼馴染という関係は、素敵だと思う。ところで、幼馴染みの名前は? やはり、同じアカデミーの生徒かな? これはプライベートのことだから、嫌なら言わなくていい」

「そんなことはないです。彼の名前は、ソラといいます。えーっと……その……言い辛いのですが、彼は力を持っています」

「ああ、彼か」

「知っているのですか?」

「勿論。有名だからね」

「そ、そうなのですか」

 幼馴染が能力者と聞いて驚くと思っていたイリアにとって、ユアンの意外な反応に逆に驚いてしまう。だが彼が能力の研究もしていることを思い出し、イリアは納得する。生物研究の他に、能力研究も行っているユアン。その知識と教養の高さに、改めて尊敬の念を抱く。

「まさか、ご迷惑をかけているのでしょうか? ソラって真面目そうに見えるけどマイペースなところがあります。それに、尚且つ朝に弱いんです。だから、朝からの付き合いはでききません。それならまだしも、他人の気持ちに鈍感で……小さい頃から、そういう部分がありました」

「酷い言われようだな。安心していい。そんなことはない。僕がこの研究の他、能力研究にも携わっていること知っているかな? 彼は僕が担当をしていて、それで知っているんだ」

 何かあると思い心配していたが、ユアンはソラの担当だと知って安心する。しかしその前に、尊敬する博士がソラの担当だということに驚く。まさか、プライベートのことを話しているのではないのか……もしそうであれば、幼馴染であるイリアのことも話している可能性が高い。

 そうであれば、ユアンはソラの名前や自分の存在も知っていてもおかしくはない。それにソラは、自分のことや他人のことを話す性格ではない。普段はそのことが心配であったが、今は逆に胸を撫で下ろす材料となる。それでもイリアは、不安感があったので一応聞いてみることにした。

「ひとつお聞きしても宜しいですか?」

「どうした?」

「博士は、私の幼馴染がソラだって知っていたのですか? 博士は、多くのことを知っていますが、不思議に思いまして……」

「そのことか。正直に言うと、アカデミーの生徒達から聞いたんだよ。ランフォード君には、異性の幼馴染がいるということを。まさか彼が幼馴染だったとは、そのことは知らなかったけどね。アカデミーでの噂話は、此方に流れてくることは多い。それだけ、話好きなのだろう」
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