エターナル・フロンティア~前編~
「ところで、夕食はそれだけしか食わないのか? もっと食った方が、身体にはいいんだが……」
「お前と違って、小食だ」
「だから、痩せているんだよ」
「無理して食べて、身体を壊すよりはいいよ。これも、体質なんだ。お前の大食いと一緒だよ」
「おお、言うな」
「お互い様だ」
世の中の現状を考えれば二人の関係は有り得ないものだが、それさえ感じさせないほど他愛のない会話を行い仲がいい。「力を持つ者だから」そのような偏見は、はじめから存在していない。ただ、一部の人間が作ったもの。そしてそれが、全ての世界に広がってしまった。
「そうだ。今日から、休みを取った」
「それがどうした?」
「いや、何処か行かないか」
「別に、構わないけど」
「よし! 行く場所が決まったら、連絡をする。と言っても、旅行に行こうとは思わないけどな」
聞き方によっては一方的に決められてしまったが、ソラは文句を言うことはしない。それは彼の心遣い、気を使ってくれている。また、それなりにソラの立場のことを考えてくれている。
考えているからこそこのように軽い口調で話し、冗談も言う。もし言動に余所余所しい態度が含まれているとしたら、このような良好な関係は築いておらず、ギスギスしたものになる。
「……有難う」
「うん? まあ、いいさ」
珍しく礼を言われたことにカディオは困ったような表情を作るが、そんな不器用な友人にソラは心から感謝している。今のソラにはこのような友人は有難く、支えにもなっていたからだ。
◇◆◇◆◇◆
二人は食事を終え店から出ると、大気が漂わせている独特の臭いに気付く。それは雨が降る前兆のようなもので、それに美しい星空は消え去り分厚い雲が立ち込めている。いつ降り出してもおかしくない危ない天気に、ソラは濡れて帰らないといけないのかと溜息をもらす。