不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
卓巳君はまだ私の体調を気にかけているのか、いつもより優しくゆっくり動かす。時々キスをしながら。


「あっ……ん……」


私の中が彼で満たされるような感覚。

体は、もう溶けてしまうんじゃないかと錯覚するほどに熱くなっていた。

ううん。いっそ溶けてしまいたい。

トロトロに溶けて卓巳君の体の一部になってしまいたい。

このままずっとこうしていたい……。

潤んだ瞳で見上げると、ちょっと苦しそうに顔をゆがめている卓巳君と目が合った。


「……んな目で見んなよ」


卓巳君は目をそらすと、私をギュッと強く抱きしめる。

そして耳を甘く噛んだ。


もうダメ。気が遠くなりそう……。


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