不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
腕の力はどんどん強くなる。ぎゅうぎゅうと締めつけられるような圧迫感。


「卓巳君……?」


密着した胸の中からなんとか顔をあげると、そのまま唇をふさがれた。

目を閉じて神経を集中させる。

卓巳君の甘い香りに包まれながら、唇の感触と温度を味わう。

やっぱり卓巳くんが好き。好きなの。

そう思うだけで胸がいっぱいになって、切なくて、涙があふれそうになる。

いったん唇を離した卓巳くんが、無言で私をじっと見つめる。

その表情からは感情が読み取れなくて、私の胸はざわざわと落ち着かなくなる。


卓巳君はいつも私を不安にさせるね。

あ……ダメだ。
涙腺が緩んできた。


うるうるの瞳で見上げていると、今度はさっきよりずっと熱いキスをされた。


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