不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
喉の奥が痛くて、振り絞った声は消え入りそうだった。

きっと彼の耳には届いていない。

涙がこぼれそうになって、顔を横に向けた。

床に転がった紙袋から、ジンジャーマンクッキーがはみ出していた。

落ちた衝撃で割れてしまったジンジャーマンが、悲しそうにこちらを見ている気がした。


クッキー食べたかったな。

マグカップ抱えてコーヒー飲みながら、初めて合コンで会った時のこととか話したりして。


私ね、卓巳君に聞きたいことが、いっぱいあったの。

初めて私を見た時の第一印象覚えてる?

あの時、どうしてホテルに連れていったの?

もう一度会ってくれたのはどうして?


私のこと、ほんの少しでも……一瞬でも、“好き”って思えたことあった?


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