不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
手を伸ばして、彼の頬をそっとなでる。その途端、またさっきの曲が流れて、私の指はビクンと震えた。


「卓巳君、電話鳴ってるよ? 起きて?」


声をかけるだけでなく、今度は体を揺すってみる。


「んー、悪い。取って……」


卓巳君は目をつむったまま、腕を伸ばす。

私はローテーブルに置いてあるスマホを手に取った。その瞬間、見るんじゃなかったと後悔した。

画面には“和美”と表示されている。


スマホを卓巳君に手渡す。

卓巳君は寝ぼけながらも電話にでた。

同時に、スマホから女の子の声が漏れてくる。

しゃべっている内容まではわからないけど、かなりの剣幕で怒っている様子だ。


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