不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
着替え終えた私は、髪を手ぐしで整え、コートを着込む。


「じゃ、私帰るね」

「えっ……」


まだ出かける準備ができていない卓巳君が、少し焦った表情で私に近づく。


「萌香ちゃん。あのさ……やっぱ、行くの?」

「え?」


言葉の意味がわからず、私は首をかしげる。


「あ。いや、なんでもない」


うつむき、バツの悪そうな顔で彼が言う。


「卓巳君」

「ん?」


私は卓巳君のシャツの裾をキュッと掴む。

精一杯背伸びをして、卓巳君の唇と自分の唇を合わせた。


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