不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
鞄を手に持って、テーブルを離れた。

震える足を必死に動かす。

トイレに行けば、きっと沙耶がいるはず。

そう思って、廊下の突き当たりの角を曲がった瞬間……。


「どこ行くの……?」


突然かけられた声に振り返ると、さっきまで隣に座っていた男の子がいた。私を見下ろしてニヤニヤ笑っている。


「どこって……トイレ」

「トイレなら逆だよ?」

「え?」


自分が向かおうとしていた先にある扉。

そこには【STAFF ONLY】というプレートが貼られていた。どうやらこの先は従業員用の事務所のようだ。

トイレはこっちじゃなかったのか。


「ありがと……」


お礼を言って、来たほうに戻ろうとした瞬間、腕を掴まれ、私の体は壁に押し付けられた。


「きゃっ! な、に……?」


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