不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
私の耳もとに唇を寄せて、そう囁いた優一君。一瞬ステージのほうへニヤリと笑って見せた。

相変わらず腕は私の肩をしっかりと掴んだままで。


「ボッ……」


その時、ステージではまた卓巳君のセリフが止まってしまった。


「ボクの星はぁ! 今日、ちょうど真上にやってくるんだッ!」


卓巳君、どうしちゃったの……?

なんとかセリフを続けてはいるものの、なんかヤケになっているって感じ。

もう完全に棒読み状態。

気のせいか、チラチラこっちを見ているような気がする。


「あー。もう台無し」


和美さんはうなだれてガシガシと頭を掻いている。


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