不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
ほ、本気なのかな。

ひょっとして、これも劇の演出のひとつだったりして……あはは。

なんて、ひとりでちょっとした現実逃避もしてみる。

だけど、私を見つめる卓巳君の目は真剣そのもので……。なんだか吸いこまれちゃいそう。


卓巳君はさらにバラの花を近づける。

私は震える手でそれに触れた。

「はい」と小さく答えて。

とたんに、ホールに割れんばかりの拍手と喝采がわきおこる。


卓巳君は私の肩を抱き寄せると満面の笑みを浮かべて、みんなにピースサインを送った。

今のってプロポーズなんだよね?

か、軽っ……。

ありえない展開になんだかクラクラして、私はまためまいを起こしそうだった。


卓巳君はいつもこうやって私を驚かすんだ。

もぉ、心臓がもたないよ……。


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