不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「だって、メイクが全然崩れてねーもん」


至近距離で顔を覗き込まれる。いつの間にか肩に回されていた手に、鼓動が早くなる。

そんなキレイな瞳で見つめないでほしい。

彼の視線から逃れたくて俯いた。


「やっぱり……私なんかとしないほうがいいと思う」

「なんで?」

「私としてもつまんないと思う……よ?」


あ……ダメだ。
また涙が出そうになって、最後の方は声が震えてしまった。

卓巳君がクスリと小さく笑う。


「おいで……」


そして私を引き寄せると、最初にしていたように、また背後からすっぽりと抱えこんだ。


「オレ、萌香ちゃんが嫌ならヤらなくていいよ? 嫌がる女を無理やりどうこうする趣味はねーし」


私は黙ったまま、コクンとうなずいた。


< 28 / 277 >

この作品をシェア

pagetop