不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「山田っておじいちゃん教授がいるんだけどさ。髪がサイドと後ろしかないの。つまりてっぺんはハゲなんだけど。あと、顔も頭もなんかまん丸なんだよね。体は細身なんだけど、顔だけ丸っこい人いるじゃん。わかる?」

「うん、なんとなく想像できる」

「この前講義中にさ、誰かが『山田ってなんかに似てね?』とか言い出してさ。しばらくみんなで考えてたんだけど、『ああ……アレ、アレだ』って」

「え? なに?」

「チュッパチャップス」

「あはは」


私は肩を揺らして笑った。

おじいちゃん先生には申し訳ないけど、人どころか生き物ですらないものに似ているというその発想にウケてしまったのだ。


「オレらも超ウケた。笑い堪えるの大変でさ。もう、その後の講義はカオス状態。『やべー、前見れねー。てかもうチュッパチャップスにしか見えねー』ってみんなしてうつむいてて、笑うの我慢してた」


その時の様子が目に浮かんで、私はまた笑う。

さっき会ったばかりの人とこんな状況にいるというのに、気づくと私の心と体は不思議とリラックスしていた。


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