不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
部屋に残されたのは、卓巳君と私とそれから見知らぬ女の子が3人。

どう考えても部外者は私だけ。

この場のいたたまれない雰囲気にひどく緊張してきた。


どうしよ……。
早く渡して帰らなきゃ。

でもこの状況で、差し入れを出す勇気なんてない。

思わず紙袋の取っ手をキュッと握りこむ。


「じゃ、ウチらもそろそろ帰りますか」


女の子のうちのひとりが言う。

声からして、さっき卓巳君に「なんかエロい」って言ってたのはきっと彼女だ。

ほっそりとして背が高く、ゆるく巻いた髪をサイドで束ねている。

キレイな人だと一瞬見とれてしまった。

彼女だけじゃない。
他のふたりも美人だし。

そのうえ、卓巳君の同級生ということは、私のふたつ上ってことなんだと思うけど、なんだかずいぶん大人っぽく見えた。


「おぅ。気ぃつけろよー」


そんな優しい言葉をかける卓巳君の声に、胸がチクリと痛む。

卓巳君はきっと誰にでも優しいんだよね。


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