不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
どんな答えが返ってくるか怖くて、卓巳君の顔を見ることもできない。

たった数秒の沈黙がずいぶん長い時間に感じられた。


「あー……ごめん」


たったその一言で、張り詰めていた緊張感が脱力へと変わった。


「土曜は予定入ってんだ」

「あ。そっか。だよね……。ごめんね、急に誘って」


今できる範囲で最上級の笑顔を作った。

落ちこんでる、なんて気づかれちゃダメ。


「あ、でも。今度埋め合わせするからさ」

「えっ?」


埋め合わせ?

それって、デートしてくれるってことなのかな?


「……つっても、あんま期待しないでね。今マジで忙しいからさ。卒研が落ち着いたら、映画観にいこう」

「うんっ」


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