不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
健康面を重視すると、どうしても味が落ちてしまう傾向にあると思われがちだけど、そんなことはない。

ちゃんと旬の食材を活かして味付けを工夫すれば、おいしいものが作れる。

そのことを教えてくれたのは、毎日私の料理を残さず食べてくれるお父さんや敦、それから、なによりもお母さんの残してくれた日記だった。


「お母さんが死んじゃったのは悲しかったよ。でも、それがきっかけで私には目標ができたの」


卓巳君は私の想いをただ黙って聞いてくれていた。

だけど、しばらくしてハッと我に返る。

やだっ……。
私、なに、自分のことばっかりしゃべってんの……。
しかも熱くなりすぎだよ。


以前、同じような話を元彼の智也にした時は、『栄養士? 地味じゃね?』なんて、軽くかわされたんだった。


きっと卓巳君も呆れてる。

その証拠に、さっきから黙ったまま、なにか考えこんでいるようだ。


どうしよう……。
なんか気まずい。
私の方から話題を変えなきゃ。

そう思った時、卓巳君が口を開いた。


「萌香ちゃんらしいな……」

「え?」


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