Dead or Alive
「ひ、ひきずらないで…っ、よっ…」
「え?あ、ごめん」
私は肩で息をしている辻村さんに心のこもっていない謝罪の言葉を述べた。
辻村さんは「心がこもってませんよモモちゃんっ!」と私の背中を思い切り叩いた。
充分元気あるじゃないか。
「あっははー。朝から何やってんのーも~」
「あっ、マミちゃんおはよー」
「おはよ~。楽しみだね、林間学校!」

そう言ってこっちに来たのは、先程から話題にあがっている少女、青柳真美だった。
その右手にはPSPが握られているが。
彼女は校内1のゲーマーとして有名である。今日はラスボスでも倒したのだろうか。いや、これはきっと林間学校が楽しみなのだろう

「あ"ーも"ーっ、つっかれたあぁーっっ。ちょっとチナツ、置いてくのやめてよね!」
「ミキも結構楽しんでたでしょー」
「マジ疲れた……今日はもう走らない……」
「エビちゃん、私途中からひきずられてたからね」
「でも始めたのはチナツじゃん」
海老原と辻村さんが言い争いを始める。
それにしてもこうしてみると、辻村さん海老原とかなり身長差あるな。
本人きっと気にしてるから言わんけど。
「ま、いっか。モモカにも責任あるもんね」
「でしょ?」
「おい待てそこ。責任転嫁するんじゃない」

私が2人の頭を軽く叩いたとき、大峰さんが「おーのーォォオォ!!」と悲鳴を上げた。
隣の席の辻村さんが「どしたの大峰ちゃん」き聞く。
「やばいよちーちゃん…ボク…ボク……っ、日本史の課題忘れてきた!!ヤバイ!ちょ、写させて!!」
「おーけー、はい日本史のプリント」
辻村さんはそう言って大峰さんに日本史のプリントを渡した。
大峰さんは辻村さんに抱きついている。
この2人は幼なじみで、唯一無二の親友というものらしかった。
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