蜜は甘いとは限らない。【完】
「はぁー…。
こんな時間に、どうしたんですか?」
「ん?
それはあたしのセリフでもあるわね。
まぁ、あたしは舞弥ちゃんの跡をつけてきてー、時間を開けてここに来たって感じだけど?」
「暇人ですか」
「あら、そんな言い方しなくてもいいじゃない」
話す度に揉まれ形の変わるあたしの胸。
………意味がわからない。
この人もういい年でしょ。
隆也さん、この人を育てたのは貴方ですか。
そう思うくらいにあの人に似ている。
「あ、そうそうー」
「?はい?」
「昨日?かな?
父さんに会ったんだってねー?
拓哉に聞いたよ」
「……そうですね、会いました」
「うざかったでしょ?
あのオッサン」
「実の父親に何言ってるんですか」
いやー、自分でも思うくらいウザいのよね、父さんって。
あははー、なんて軽く笑い飛ばすけど、しっかりその血を受け継いでますよ。里愛さん。